インディアンポイント原発

Indian Point Energy Centerというのが正式名称。Entergy（エンタジー）という会社が所有運用していてなんとニューヨークの３０パーセントの電力を供給している重要な発電所。

早速今日写真を撮ってきた、ハドソン川の対岸からよく見えます、２号炉と３号炉、１号炉は廃炉になってるということですが何処にあるんだろ見えなかった、津波が来たら間違いなく壊滅的な打撃を受けるでしょう

ここが今ニューヨークでにわかにやり玉に上がっている。とくにテレビで。福島原発と同様の事故がここで起きたらどうするんだ、という。なにせマンハッタンからハドソン川を北に遡ること僅か６０キロしか離れてないから、福島と同じ状況がおこったら百万単位の住民が避難しなければならない騒ぎになるからです。アメリカ人はちょっと事を大げさに考えすぎるんじゃないか、と我々日本人は思うわけ。しかし、あの高品質技術を誇る日本で作った福島でさえあの体たらく、我々アメリカ製の原発の何処を見て安全だと言いきれるのさ、というこちらの人の指摘も至極ごもっともな話です。即刻稼働停止、廃炉にすべしじゃないかい。という論調。残念ながらドイツほど盛り上がってはいないですが、一部の人はマジ。しかしねえ、ここを廃棄したとして代替えの火力発電所が何個いるだろ、考えてる？それはともかくとして、私思うに、このようなことが真剣に直ぐにしかも広く議論される、ってところはやはりアメリカ。民主主義の先進国、言いたいことを直ぐに言える国。

このインディアンポイントの周辺には住宅がいっぱいひろがっています。北へわずか２キロ弱のところにはピークスキルという人口２万数千人の町があるし、ブキャナンとかモントローズとか色々な住宅地がそれこそ原発を取り囲んでいるのです。ウェストチェスター郡といって高級住宅地の多い地域だし、日本人の駐在員が好んで住むホワイトプレーンズにも近いところ。そうですねえ、東京で言えば多摩の聖蹟桜ヶ丘近くの多摩川に面したところに原発が二基建ってるという光景を想像してみてください。あり得ない？いえいえアメリカではこれも「有り」なんです。

写真左端に見えるのがピークスキルの町の一部、スリーマイルもそうだけどとにかく住宅地に隣接しているのです

さて、こうやって写真を直ぐに撮りに行けるという私の家はこの原発から直線距離で３５キロ西南の処にあります。日本政府の基準では避難対象外ですが、アメリカの基準でいくともろ避難圏内。人ごとじゃないんです。こちらの地盤では地震は無いと思いますが、川幅の広いハドソン川なら大型津波は登ってくるだろうし、もっと怖いのはテロ。私が写真を撮った場所（州道９W号線）にトラックでロケットランチャーを持ち込んできて、２～３発ぶち込まれたらどうする？ワールドトレードセンターをやった連中なら平気でそんなことすると思うがな。もう、堪忍してよ。

ニューヨークにはこの他にShoreham Nuclear Power Plant（ショーハム原発）というのがロングアイランドにあって、マンハッタンから東へ９６キロの処。これは福島と同じGEのBWR型原子炉です。（片やインディアンポイントはウェスティングハウスのPWR型）どういうわけか、ショーハムの方は全然俎上に上がって来ないんですよ。避難対象圏外だからニュース性がないんかな。ロングアイランド・サウンドという内海に面しているし津波が来たら一発でおしまいですよ。よっぽどこっちのほうが危なそうだ。